僕たち家族の物語my family story

2021年9月下旬。今年もサツマイモ畑では大きく育った葉が風に揺れている。毎年楽しみにしている収穫が近づいています。この「サツマイモ」栽培を始めようと試みたきっかけは今から6年前のこと。

妻と出逢い結婚。それと同時に、私は当時小学3年生の男の子の父となりました。妻と息子は大きな町から、この「常呂町」へ移り住み新しい環境になり、転校し友達が変わること、初めての農家という暮らしに沢山の不安がありました。そして「父親」という新たな私の存在も。

どうしたら不安を柔らげてあげられるか…。そんな時「好きな野菜」を作ってあげよう!と思いつきました。息子に聞いたところ大好物が「焼き芋」だったのです。そしてサツマイモの栽培がスタート。はじめはビニールハウスでの10本の苗からでした。

この地では珍しいサツマイモ栽培に悪戦苦闘。最初の年は思ったようにいかず、大不作。それでも何とか息子を喜ばせたい!と、翌年は思い切って1000本で露地栽培に挑戦。あらゆることに試行錯誤しながら、ついに栽培に成功。驚くほど甘くて美味しいサツマイモが出来上がったのです。

息子、妻の「美味しいね!」と言う言葉が嬉しくて嬉しくて、今でも忘れられない瞬間です。

そしてその年、農協様主催の収穫祭で、このサツマイモで作った焼き芋を食べてもらうことに。たくさんのお客様に食べて頂けた中、一人のお子様が満開の笑顔で「うわぁー!ママ!この焼き芋美味しいね!」と。

その言葉で衝撃が走ったのを今でも覚えています。自分で作ったモノで喜んでくれて、このサツマイモが誰かの「笑顔」になったことが何よりも嬉しい。私自身が誰よりも『口福』を頂いた瞬間でした。

息子の喜ぶ顔が見たくてはじめた、サツマイモ栽培。家族を繋げてくれた「サツマイモ」。家族にとって、私にとって本当に大切な存在です。

もっと多くの方にサツマイモさんを届けたいという思いから、2022年、2023年には例年より量を増やすという挑戦。

お手伝いさんにも収穫作業を協力していただき、長年私を育ててくれ『農業』というかけがえのない存在を教えてくれた両親も今年も一緒に作業し、温かく見守ってくれました。

当時、小さかった息子も今では高校1年生。大きくなった息子と娘、そして献身的に支えともに農作業をしてくれる妻。一緒に苗を植え育て、収穫。家族みんなで『農業』を通してかけがえのない一瞬をともに過ごしています。

こうして今年も無事収穫作業を終えました。緑夢ファームで育てるサツマイモは品種も豊富で「シルクスイート」などをはじめ、妻と息子、娘の名前を少しづつとり名付けたオリジナルブランド「紅夕里」「紅美月」も。それぞれ違った味わいが楽しめる緑夢のサツマイモさん。皆様に楽しんでいただけたら幸いです。

オホーツク常呂町でこれからも紡いでいく物語。私たち家族に絆と口福を与えてくれたこのサツマイモが、これからもたくさんの人を笑顔にできることを心より願っています。 寺町 太智

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